低温倉庫(定温倉庫)の特徴と必要な設備|倉庫選びのポイント
- 倉庫・物流
目次
皆さんは、倉庫と聞くと、どのようなものを思い浮かべるでしょうか? 倉庫といっても、取り扱う商品によって最適な倉庫を選択しないと、大切な商品を維持することができません。 特に、医薬品や化粧品など適切な温度で保管しなければ、品質が損なわれるため、商品劣化を防ぐための設備が整った倉庫を選ぶことがとても重要となります。 今回は、倉庫の保管温度帯とその特徴について紹介します。
1.一般的な倉庫
倉庫は、さまざまな商品の保管場所として機能します。一般的な倉庫では、食品、日用品、衣料品など、温度や湿度にそれほど厳しい管理が必要ない商品が多く保管されています。これらの倉庫は、通常、常温での保管が主となり、商品の品質を維持するための基本的な環境管理が行われています。
2.医薬品や化粧品を管理する倉庫
医薬品や化粧品の保管には、厳密な温度管理が必要です。これらの商品は、適切な温度で保管されなければ品質が損なわれる可能性があるため、専用の温度管理システムが導入されています。医薬品や化粧品を管理する倉庫では、常に一定の温度と湿度が維持され、商品の劣化を防ぐための設備が整えられています。
3.倉庫の保管温度帯
倉庫の保温温度帯は、保管する商品の種類に応じて異なります。一般的には、以下のような温度帯が設定されています。
- 常温倉庫:15℃から25℃の範囲で、日用品や一部の食品などが保管されます。
- 低温倉庫:0℃から10℃の範囲で、腐りやすい食品や一部の医薬品が保管されます。
- 冷蔵倉庫:-5℃から5℃の範囲で、生鮮食品や特定の医薬品が保管されます。
- 冷凍倉庫:-18℃以下の範囲で、冷凍食品やワクチンなどが保管されます。
参考:国土交通省「倉庫業法施行規則等運用方針」
3−1.常温倉庫の特徴
常温倉庫では、「原料、指定可燃物、化学品、塩、家具、建築ボード、段ボール」など、特に温度管理が必要とされない商品が保管されます。この温度帯は、多くの商品にとって安定した品質を維持するのに適しています。また、エネルギーコストも比較的低く抑えられるため、運営コストが少ないのが特徴です。
3−2.低温温度の特徴
低温倉庫では、野菜、種子・花苗、ワイン・日本酒、医薬品などが保管されます。低温に保つことで、細菌の繁殖を抑え、商品の品質を長期間維持することができます。しかし、低温管理には高いエネルギーコストがかかるため、運営には特別な設備と管理が必要です。
3−3.冷蔵倉庫の特徴
冷蔵倉庫は、水産物、畜産物、農産品、冷凍食品などの食品や一部の医薬品の保管に適しています。5℃から-5℃の温度帯で保管することで、食品の鮮度を保ち、医薬品の有効性を維持します。冷蔵倉庫では、定期的な温度チェックと、異常時の迅速な対応が重要です。
3−4.冷凍倉庫の特徴
冷凍倉庫は、肉類、魚介類、アイスクリームなどの食品、医薬品や化学製品など、-18℃以下の温度で保管することが求められる商品に最適です。冷凍食品やワクチンなどは、非常に低い温度で長期間保存することで、その品質と効果を保つことができます。冷凍倉庫では、高性能な冷却設備と温度管理システムが必要です。
4.低温倉庫(定温倉庫)に必要な設備
低温倉庫には、高性能な冷却システム、温度監視システム、断熱材などが必要です。温度監視システムは、24時間365日リアルタイムで温度を監視し、異常が発生した場合にはアラートを発する機能が求められます。また、停電などの緊急時にも温度を維持できるようなバックアップシステムも重要です。
5.まとめ
低温倉庫は、食品や医薬品など、温度管理が厳しく求められる商品を保管するために不可欠な施設です。適切な温度管理と高度な設備が整った低温倉庫は、商品の品質を維持し、安全に保管するために重要な役割を果たしています。
6.温度管理サービス「データウオッチ」のご紹介
当社では、温度・湿度管理サービス「データウオッチ」を提供しております。
データウオッチを使用することで、低温倉庫の温度管理がより効率的かつ正確になります。リアルタイム監視、遠隔管理、アラート機能、クラウド保存などの機能を活用することで、温度管理の精度が向上し、商品の品質を維持しやすくなります。これにより、業務効率の向上とコスト削減が実現できます。
データウオッチを使うメリット
1.リアルタイム温度監視
データウオッチはリアルタイムで温度データを監視し、倉庫内の温度変動を即座に把握できます。これにより、温度異常が発生した際に迅速な対応が可能になります。
2.自動データ記録と管理
手動での温度記録が不要になり、自動的に温度データを記録・管理します。これにより、記録漏れや誤記入のリスクが大幅に減少し、正確な温度管理が可能となります。
3.アラート機能
温度異常が発生した場合、担当者に自動で通知が送られます。複数の担当者に同時に通知できるため、迅速な対応が可能です。これにより、商品の劣化を未然に防ぐことができます。
4.遠隔監視
インターネットを通じて遠隔地からも温度を監視できるため、現場にいなくても温度状況を把握できます。これは特に休日や夜間の監視に有効です。
5.データのクラウド保存
温度データはクラウドに保存されるため、過去のデータを簡単に検索・閲覧することができます。また、停電や通信障害が発生してもデータが保護され、復旧後にクラウドにアップロードされます。
6.ペーパーレス化
温度記録をデジタル化することで、紙ベースの記録が不要になり、管理業務の効率化が図れます。これにより、環境負荷の軽減や作業時間の短縮が期待できます。
7.コンプライアンス対応
HACCP(危害要因分析重要管理点)やその他の衛生管理基準に対応した温度管理が可能です。正確な温度管理と記録により、監査対応もスムーズに行えます。
8.BCP対策(事業継続計画)
突発的な停電や災害時にもデータウオッチは温度データを継続的に取得し、復旧後にデータをクラウドに送信します。これにより、災害時の温度管理が強化され、商品の品質維持が可能となります。
低温倉庫の温度・湿度管理についてお困りの方は、是非お問い合わせください。