ChatGPTとIoT実験:データウオッチの温度IoTデータを生成AIに分析させてみた
目次
※画像はDALL/E3にて生成してみました。
皆様、こんにちは!
今日は温度管理サービスデータウオッチと、ChatGPTでちょっとした実験から得られた驚きの結果を、ブログを通じてシェアしたいと思います。
文系で、プログラミングには手を出していない私ですが、最近のChatGPT4毎日触ってます。マジ凄いですよね。
実験の手順
- データ準備:まず、IoTデバイスからの温度ロガーデータを、データウオッチからCSVファイル形式でダウンロード
- プロンプト&CSVアップロード:ChatGPTに、CSVファイルと簡単な疑問やお願いを入力
- 自動分析:AIがデータを解析し、結果を提示
- 洞察の抽出:さらに、このデータから得たアイデアや、部分的な質問を実施
実験の舞台は、私たちのオフィス内
社内のカフェテリアに設置した温度ロガーを使って、冷蔵庫と冷凍庫の温度データをIoTで収集しました。コーヒーを飲みながら、データの海に潜り込む準備が整ったわけです。(私たちのカフェテリアのコーヒー飲みに来てください(法人に限りますが)!)
データ準備完了
さて、データウオッチからデータを手に入れます。(とりあえず1週間分にしてみました)生成AIにデータを???という会社も多いので、ここでも機密情報がある場合は加工します。今回は機種名、場所も一般名称でしたのでシリアル(A列)だけ削除しました。センサー名なども、ダミーデータでマスキングしたりするのもありです。
エクセルデータA列を削除していざアップロード
次は分析の番
ChatGPTのCode Interpreter機能は有償版のGPT4ユーザーのみです。これらのデータを分析してみましょう。ファイルをアップロードするだけで、Pythonを使った複雑な分析が簡単にできるんですから、技術の進歩は素晴らしい!ま、Pythonなんて一文も読めないですし、書けないんですが。
具体的な分析結果
まず、ChatGPT4のCode Interpreter機能(Advanced data analysis)は、ファイルをアップロードすると、Pythonという言語で色々な分析をしてくれます。プログラムのスキルが無い私でも使えちゃいます。生成AIの能力アドバンスドデータアナリシスを可能にするこの機能を使えば、複雑なデータセットから情報を抽出し、実用的なデータにすることもあります。
何はともあれ試してみる~CSVとプロンプトを入力
分析が始まり、処理やファイルにエラーが出たら勝手に直してます。今回はエンコード(今回はUTF-8へ変更)、空セルの削除と以下のように勝手に進んでいきます。
GPT:データの前処理が完了しました。以下の点を確認しました。
- 記録日時の列をdatetimeオブジェクトに変換しました。
- 欠損値が「品目」、「担当者」、「ワークグループ名」の列に存在することが確認されましたが、これらの列は分析に必要ないと判断し、無視することにします。
- データを記録日時でソートしました。
グラフが出力され、更に勝手に進みます。
GPT:グラフから、各センサーの温度変動を確認することができます。一部のセンサーでは温度が急激に上昇している箇所が見られますが、これが霜取り(DF)と思われるタイミングかもしれません。
次に、ステップ4として霜取りのタイミングを分析します。具体的には、温度が平均より大きく上がるタイミングを探し出します。そのために、各センサーの温度データの平均と標準偏差を計算し、これをもとに霜取りと思われるタイミングを特定します。
データ分析まとめ
更に、11月7日にでたGPTsでデータウオッチの分析専用GTPを作ってみたところより詳細なデータも出てきました。標準温度(レギュレーション)を7℃までとして、超える割合を求めさせてみました。
コールドテーブルの温度が7℃を超えた割合についての分析結果は以下の通りです。
- 7℃を超えた温度の記録の割合は、全体の約 0.56% です。
- データが10分ごとに取得されていると仮定すると、7℃を超えた時間は約 40分 になります。
- 分析期間全体のデータ取得時間は 7170分 です。
- したがって、7℃を超えた時間は全時間帯に占める割合は約 0.56% となります。
この結果から、コールドテーブルの温度はほとんどの時間で7℃以下に保たれていることがわかります。
GPTsにHACCPの指導もしてもらった
ついでに、様々な業界のHACCPを学習させているので指導もしてもらいました。
カフェでの食品安全管理、特にHACCP(ハザード分析重要管理点)の観点から注意すべきポイントと手順について説明しますね。
HACCPの注意点:
- 原材料の受け入れ: 供給元の信頼性を確保し、原材料が適切な温度や条件で運ばれていることを確認します。
- 保管: 冷蔵・冷凍品は推奨される温度で保管。温度管理はDataWatchなどの温度管理システムで行います。
- 十分な加熱: 肉や卵などの食品は、食品安全のために十分に加熱する必要があります。
- 十分な冷却: 加熱した食品は迅速に冷却して、細菌の増殖を防ぎます。
- 交差汚染の防止: 生の食品と調理済みの食品を別々に取り扱い、使用する器具やカウンターも分けます。
- 衛生的な調理環境: 調理スペースと器具を清潔に保ち、定期的に消毒します。
- 従業員の衛生管理: 手洗いや健康管理を徹底します。
この分析から使えそうな事
数年前のデータと比較して、冷蔵・冷凍機器の性能を把握
- リース延長の可否。機能的に問題なければ経費削減
- 故障予測モデルで、メンテナンスタイミングを可視化
- 食材等の詰め込み防止。詰め込み過ぎな冷凍機器を把握
他のデータと掛け合わせてみる
- シフト人員と温度傾向を組み合わせてドアの開閉に問題が無いか確認し指導
- 外気温や、室温と掛け合わせて、設定温度を調整してエコを目指す
- POSデータと室温により、販売される商品の傾向を導き出す
AIにはデータが命!
今回は、データウオッチが持つIoTデータと、ChatGPTによる分析を行ってみました。これだけでも大変面白いデータになったと思います。
今後、様々なセンサーデータや、お客様自身が持つデータ、パートナー企業の持つデータと組み合わせていこうと思います。
5年以上前からセミナー、プレゼンで何度も言ってるのですが一部経営者以外は中々理解いただけなかったんですよね。データが無いことにはこの分析はできません。
2023年に生成AIが誕生し、想像通りなったと思うのですが、今後AIを自社サービス、自社利用する際はまずデータをもつかが肝心です。是非IoT化推進して頂ければと思います。
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